海外アフィリエイトに挑戦して、いざ報酬を受け取ろうと思ったら「W-8BENの提出が必要」と言われた…そんな経験はありませんか? W-8BENは、アメリカから報酬を受け取る際に源泉徴収を免除・軽減してもらうための重要な書類です。提出しないと、せっかく稼いだ報酬に高額な税金がかかってしまうことも!
この記事では、W-8BENの書き方を図解で分かりやすく解説します。複雑に見える書類も、一つずつ丁寧に見ていけば大丈夫。必要事項や注意点、よくある間違いもしっかりカバーしているので、初めての方でも安心して記入できます。海外アフィリエイトでスムーズに報酬を受け取るために、W-8BENの書き方をマスターしましょう!
- W-8BENって何?
- W-8BENの記入方法
- Part I 個人情報の入力:名前、住所など基本情報を記入!
- 1. Name of Individual who is the beneficial Owner
- 2. Country of citizenship
- 3. Permanent residence address (street, apt. or suite no., or rural route)
- 4. Mailing address (if different from above)
- 5. U.S. taxpayer identification number (SSN or ITIN), if required
- 6a. Foreign tax identifying number (See instructions)
- 6b. Check if FTIN not legally required (See instructions)
- 7. Reference number(s)
- 8. Date of birth (MM-DD-YYYY)
- Part II: Claim of Tax Treaty Benefits (for chapter 3 purposes only) (See instructions)
- 9. I certify that the beneficial owner is a resident of …
- Part III Certification|認証セクションの記入方法
- Part I 個人情報の入力:名前、住所など基本情報を記入!
W-8BENって何?
W-8BENとは、「Form W-8 Beneficially Owner of Foreign Status of This Holder of This Income」の略称で、日本語では「米国源泉所得の受益所有者に関する異議申し立てに関する宣誓書」と呼ばれます。 少し難しい名前ですが、簡単に言うと、アメリカ以外の国に住んでいる人が、アメリカから受け取る所得に対して、アメリカの税金を減免してもらうために提出する書類です。
具体的には、アメリカで源泉徴収される所得税率30%を、日米租税条約に基づき、状況に応じて0%〜10%に軽減(もしくは免除)するために必要となります。
例えば、あなたが日本の居住者で、アメリカ企業のアフィリエイトプログラムに参加して報酬を得ている場合、W-8BENを提出することで、本来30%源泉徴収されるはずの税金が、日米租税条約によって、広告収入であれば0%に軽減されます。
つまり、W-8BENを提出しないと、本来受け取れるはずの金額よりも少ない報酬しか受け取れない可能性があるのです。海外アフィリエイトで稼ぐなら、W-8BENの提出は必須と言えるでしょう。
W-8BENの記入方法
W-8BENのフォーム自体は一見複雑そうに見えますが、実際に記入が必要な部分は限られています。 下記にW-8BENフォームの全体画像を示します。(※ 最新版のフォームはIRSのウェブサイトをご確認ください)

このフォームは大きく分けてPart 1〜Part 3の3つのパートに分かれており、それぞれに入力が必要な項目があります。これから、各パートごとに分けて、具体的な記入方法を図解で分かりやすく解説していきますのでご安心ください。
Part I 個人情報の入力:名前、住所など基本情報を記入!
W-8BENは、基本的に英語で記入する必要があります。住所も例外ではなく、英語表記で記入する必要があります。日本語の住所を英語表記に変換するのは少し戸惑うかもしれませんが、安心してください。「君に届け」という便利なウェブサイトを利用すれば、日本語の住所を簡単に英語表記に変換できます。

1. Name of Individual who is the beneficial Owner
あなた自身の氏名をローマ字で記入します。パスポートに記載されている名前と同じスペルで記入するようにしてください。
例:
TARO YAMADA (山田 太郎)
2. Country of citizenship
あなたの国籍を記入します。日本国籍の方は “JAPAN” と記入します。二重国籍の方は、どちらの国籍でも構いません。
例: JAPAN
3. Permanent residence address (street, apt. or suite no., or rural route)
あなたの永住権のある住所を英語で記入します。「君に届け」などの住所変換サイトを利用すると便利です。番地、建物名、市区町村、都道府県、郵便番号、国名の順に記入します。アパートやマンションの場合は、部屋番号も忘れずに記入しましょう。
住所の例
〒106-0032 東京都港区六本木1-1-1 ルズレジデンス 101
項目名(英語) | 項目名(日本語) | 入力例 | 説明 |
---|---|---|---|
Street, apt. or suite no., or rural route | 番地、建物名、部屋番号など | #101 Hiruzurejidensu 1-1-1 Roppongi | #101は部屋番号を表します。マンション名・ビル名がある場合は、番地の後に続けて記入します。番地は、日本の住所表記の逆順で、小さい単位から大きい単位へと記述します。 |
City or town, state or province.<br>Include postal code where appropriate. | 市区町村、都道府県、郵便番号 | Minato-ku Tokyo, 106-0032 | 東京都港区の場合はMinato-ku Tokyoと記入します。郵便番号は都道府県の後にコンマ(,)を置いて記入します。 |
Country | 国 | Japan |
4. Mailing address (if different from above)
住所と郵送先住所が異なる場合のみ、ここに郵送先住所を英語で記入します。永住権のある住所と同じ場合は、空欄のままにしておきます。異なる場合は、住所の記入方法3. と同じように記入します。
5. U.S. taxpayer identification number (SSN or ITIN), if required
アメリカの社会保障番号 (SSN) または個人納税者識別番号 (ITIN) を持っている場合のみ、ここに記入します。通常、日本居住者は持っていませんので、空欄のままにしておきます。
6a. Foreign tax identifying number (See instructions)
日本のマイナンバー(個人番号)を記入します。「個人番号カード」または「通知カード」に記載されている12桁の番号を入力してください。
6b. Check if FTIN not legally required (See instructions)
日本のマイナンバーは、アメリカ合衆国との租税条約等に基づき提供が求められています。したがって、日本居住者はここにチェックを入れてはいけません。空欄のままにします。
7. Reference number(s)
報酬を支払う企業や機関から指定された参照番号がある場合のみ記入します。特に指定がない場合は空欄のままにしておきます。
8. Date of birth (MM-DD-YYYY)
あなたの生年月日を MM-DD-YYYY の形式 (月-日-年) で記入します。
例: 01-06-1990 (1990年1月6日の場合)
Part II: Claim of Tax Treaty Benefits (for chapter 3 purposes only) (See instructions)
“Part II: Claim of Tax Treaty Benefits (for chapter 3 purposes only) (See instructions)” は、「パートII:租税条約に基づく特典の請求(第3章の目的のみ)(指示を参照)」という意味です。
もう少し詳しく説明すると、
- Claim of Tax Treaty Benefits: アメリカとあなたの居住国との間に結ばれている租税条約に基づき、税金の減免を請求することを意味します。
- for chapter 3 purposes only: これは、米国内国歳入法典(Internal Revenue Code)の第3章で規定されている源泉徴収の対象となる所得にのみ適用されることを意味します。
- (See instructions): 詳細な指示は、IRS(アメリカ合衆国内国歳入庁)が発行しているW-8BENの公式説明書を参照する必要があることを示しています。
つまり、Part II は、アメリカから受け取る特定の種類の所得に対して、租税条約に基づいて源泉徴収税率の軽減または免除を受けるために必要な情報を記入するセクションです。 日本居住者の場合、日米租税条約に基づいて、適切な項目を記入することで、アメリカで源泉徴収される税金を減らすことができます。

9. I certify that the beneficial owner is a resident of …
この項目では、あなたが租税条約の恩典を主張する根拠となる居住国を明記します。つまり、あなたが税務上の居住者として認められる国を記入する必要があります。日本に居住している場合は “Japan” と記入します。
なぜ重要なのか?
アメリカとあなたの居住国との間に租税条約が締結されている場合、その条約に基づいてアメリカでの源泉徴収税率が軽減または免除される可能性があります。この項目で居住国を正しく申告することで、あなたは該当する租税条約の適用を請求することになります。
注意点
- 市区町村名ではなく、国名を記入します。
- 必ず英語で記入します。(例:Japan)
- 二重国籍者の方は、租税条約上有利な方の国を記入することもできますが、その選択には複雑な規定が絡む場合があるので、専門家への相談をおすすめします。
例:
日本に居住している場合: Japan
この項目を正しく記入することで、日米租税条約に基づく税制上の優遇措置を受けることができます。
10. Special rates and conditions(特別な税率および条件)
日米租税条約に基づき、源泉徴収税率の軽減・免除を受けるための具体的な条項を記入します。多くの場合、アフィリエイト報酬は「Article 7 (Business Profits) 」または「Article 12 (Royalties) 」に該当しないため、この欄は空欄で問題ありません。もし特定の条項が適用される場合は、その条項番号と内容を簡潔に記入します。
例(アフィリエイト報酬の場合): 空欄 (多くの場合)
例(適用される条項がある場合): Article 14 (Independent Personal Services)
迷う場合は、報酬を支払う企業に問い合わせるか、税務の専門家に相談することをおすすめします。
Part III Certification|認証セクションの記入方法
Part III は、W-8BENの最終セクションである「認証」です。ここまでの記入内容が正しく、あなたが租税条約上の特典を受ける資格があると誓約する部分になります。 細かい記入項目はありませんが、内容をよく理解し、虚偽の内容がないことを確認してから署名することが重要です。 署名することで、これまでの情報に責任を持つことを意味します。 それでは、具体的に見ていきましょう。

Part III の内容概略
Part III は、あなたが提供した情報が真実かつ正確であることを宣誓するセクションです。具体的には、以下の内容が記載されています。
- あなたはW-8BENに記入された情報の受益者であること。
- あなたは、要求された情報を提供し、虚偽の記載がないことを誓約すること。
- あなたは、フォームに記載された情報に変更があった場合は、30日以内にIRSに通知する義務があること。
- 偽証した場合、偽証罪に問われる可能性があること。
重要なポイント
- 署名欄 (Signature of beneficial owner): 必ず本人が署名します。タイプ入力やコピーペーストは無効です。
- 日付欄 (Date): 署名した日付を MM-DD-YYYY 形式で記入します。
- 印刷名欄 (Printed name): ローマ字で氏名を記入します。
未成年者の場合
未成年者がW-8BENを提出する場合は、親権者または法定後見人が代理で署名し、”Capacity of signer” 欄に “Parent/Guardian” と記入する必要があります。
注意
Part III は法的拘束力のある宣誓書です。内容をよく理解し、虚偽の記載がないことを確認してから署名するようにしてください。
I certify that I have the capacity to sign for the person identified on line 1 of this form.
“I certify that I have the capacity to sign for the person identified on line 1 of this form.” は、「私は、このフォームの1行目に記載されている人物の代わりに署名する権限を持っていることを証明します。」という意味です。
通常はこのチェックボックスにはチェックを入れません。
このチェックボックスは、あなたがライン1に記載された人物(受益者)の代わりに署名する権限を持っている場合のみチェックを入れます。つまり、あなたが代理人として署名する場合にのみチェックを入れます。
W-8BENの提出者である受益者本人が署名する場合は、このチェックボックスにはチェックを入れずに空欄のままにしてください。
代理人が署名するケースとしては、以下のような場合が考えられます。
- 受益者が未成年である場合、親権者または法定後見人が署名する。
- 受益者が病気や怪我などで署名できない場合、法定代理人などが署名する。
これらのケースに該当しない限り、チェックボックスにはチェックを入れないように注意しましょう。
Signature of beneficial owner (or individual authorized to sign for beneficial owner)
“Signature of beneficial owner (or individual authorized to sign for beneficial owner)” は、「受益所有者の署名(または受益所有者のために署名する権限を与えられた個人の署名)」という意味です。
- Signature of beneficial owner: 受益所有者(アメリカからお金を受け取る人)本人の署名
- (or individual authorized to sign for beneficial owner): (または、受益所有者のために署名する権限を与えられた個人の署名)
つまり、通常は受益者本人がここに署名しますが、受益者が未成年者や病気などで署名できない場合は、親権者や法定代理人など、署名する権限を持つ人が代わりに署名できるということです。
重要なポイント
- 署名は自筆である必要があります。タイプ入力やコピーペーストは無効です。
- 代理人が署名する場合は、その権限を証明する書類が必要になる場合があります。報酬を支払う企業や機関に確認することをおすすめします。
コメント